16タイプと占いを扱う宵待の編集チーム。公開資料と編集基準をもとに、自分の気持ちを読み解くための記事を制作しています。
エニアグラムという言葉は、円の中に三角形と六角形が描かれた、あの図から来ています。ギリシャ語で「9つの点で描いた図形」という意味です。ただ、図の形よりも先に知っておいたほうがよいことがあります。エニアグラムが分類しているのは、その人が得意なことでも、性格の良し悪しでもありません。その人が何を恐れていて、それを避けるためにどんな癖を身につけたか。つまり、動機の側から人を9つに分けた枠組みです。この記事では、9つのタイプの中身と、あの図をどう読むのかを順番に説明します。
結論:性格の分類ではなく「何を避けたいか」の地図です
エニアグラムを性格診断の一種だと思って読み始めると、たいてい途中で違和感が出ます。書いてある内容が、長所の説明になっていないからです。
エニアグラムの9つのタイプは、それぞれ中心に一つの恐れを持っています。そして、その恐れに触れないで済むように身につけた行動の癖が、外から見たときの性格として現れます。タイプ3が結果を出すことにこだわるのは、能力が高いからというより、価値のない存在だと見なされるのが怖いからです。タイプ9が揉め事を避けるのは、温厚だからというより、衝突で関係が壊れるのが怖いからです。
だからエニアグラムを読むときは、「自分はどれが得意か」ではなく「自分は何を避けてきたか」で探すほうが当たります。得意なことで選ぶと、たいてい憧れの番号を選んでしまいます。
もう一つ、最初に押さえておきたいことがあります。9つのタイプに優劣はありません。どの番号にも健全な状態と不健全な状態があり、番号そのものが良い悪いを決めることはない、というのがこの枠組みの基本的な立場です。
9つのタイプの名前と、ひとことでの中身
まず全体を見ておきます。名前は日本エニアグラム学会が使っている呼び方に合わせています。海外の本では別の訳語が当てられていることもありますが、指している中身は同じです。
| 番号 | 呼ばれ方 | 中心にある恐れ | そのために身につけた癖 |
|---|---|---|---|
| タイプ1 | 改革する人 | 自分が間違っている、欠けていること | 基準を決めて守り、ずれを直そうとする |
| タイプ2 | 人を助ける人 | 誰からも必要とされないこと | 頼まれる前に気づいて手を差し出す |
| タイプ3 | 達成する人 | 価値のない存在だと見なされること | 成果を出し、そう見えるように整える |
| タイプ4 | 個性的な人 | 自分に固有のものが何もないこと | 人と同じであることを避け、内面を掘る |
| タイプ5 | 調べる人 | 中身が尽きて役に立たなくなること | 知識を蓄え、消耗する場から距離を取る |
| タイプ6 | 忠実な人 | 支えを失って無防備になること | 先に危険を想定し、確認と準備を重ねる |
| タイプ7 | 熱中する人 | 苦痛や退屈に閉じ込められること | 予定と選択肢を増やし、明るい方へ動く |
| タイプ8 | 挑戦する人 | 他人に支配され、傷つけられること | 先に主導権を取り、弱みを見せない |
| タイプ9 | 平和をもたらす人 | 衝突によって関係が壊れること | 自分の主張を後ろに下げ、波風を立てない |
この時点で「これかもしれない」が2つ3つ出るのがふつうです。エニアグラムは行動ではなく動機で分けるため、行動だけを見ると複数に当てはまります。絞り方は9タイプの特徴一覧で、恐れと口ぐせから見分ける形で書いています。
図の見方|円・三角形・六角形は別々の意味を持っています
エニアグラム図は、3つの要素が重なってできています。それぞれ役割が違うので、分けて見ると読めるようになります。
円|9つの番号が等間隔に並んでいます
いちばん外側の円周に、1から9までの番号が時計回りに置かれています。ここで大事なのは、番号が順位ではないことです。1が最も優れていて9が最も劣る、という並びではありません。単に位置を示す番号です。
正三角形|3・6・9を結んでいます
図の中に描かれた正三角形は、3と6と9を結んでいます。この3つは、後で説明する3つのセンターそれぞれの中心に位置する番号です。自分の属するセンターの性質が、いちばん素直に出るところだと考えられています。
六角形|1・4・2・8・5・7を結んでいます
残りの6つの番号は、1・4・2・8・5・7という順で線がつながれています。数字の並び順ではないので最初は戸惑いますが、これは矢印の順路を表しています。この線が何を意味するかは、この記事の後半で扱います。
図をひとことでまとめると、円は9つの位置、三角形と六角形は番号どうしのつながり方を表しています。図が読めなくてもタイプの理解には支障がないので、後回しにしても構いません。
3つのセンター|怒り・恥・不安のどこから反応が始まるか
9つのタイプは、3つずつ、3つのグループに分けられます。センターと呼ばれ、何かが起きたときに体のどこから反応が始まるか、そしてどの感情を扱いにくいかで分かれます。
本能センター(8・9・1)|扱いにくいのは怒りです
腹で反応するグループです。考えるより先に体が動き、その場の空気に対して肯定か拒否かがすぐ出ます。共通して抱えているのは怒りで、扱い方が3つに分かれます。8は外に出し、9は感じないことにし、1は正しさに変換して抑えます。
感情センター(2・3・4)|扱いにくいのは恥です
心で反応するグループです。人からどう見えているかが判断の材料になりやすく、自己像に敏感です。共通して抱えているのは恥で、2は人の役に立つことで、3は成果を出すことで、4は自分だけの何かを持つことで埋めようとします。
思考センター(5・6・7)|扱いにくいのは不安です
頭で反応するグループです。動く前に見通しを立てようとし、確からしさを確保したがります。共通して抱えているのは不安で、5は知識を蓄えることで、6は備えと確認を重ねることで、7は楽しい予定で塗りつぶすことで、それぞれ対処します。
センターは、相手との噛み合い方を考えるときにいちばん効きます。同じセンター同士だと衝突の種類が似て、違うセンター同士だと話の出発点がずれます。詳しくはエニアグラムの相性で扱っています。
ウイング|隣の番号が、同じタイプの中に幅を作ります
同じ番号でも人によって印象が違う理由の一つが、ウイングです。自分の番号の両隣のうち、どちらかの影響を受けているという考え方で、「4w3」「4w5」のように、wのあとに隣の番号を書いて表します。
たとえばタイプ4の場合、隣は3と5です。3の影響が強い4は、自分の内面を作品や見せ方に変換して外に出そうとします。5の影響が強い4は、外に出すより内側に沈めて掘り下げようとします。どちらも中心にあるのは「自分に固有のものが何もない」という恐れで、そこは変わりません。
ウイングは番号を増やす仕組みではなく、同じ番号の中の幅を説明する仕組みです。中心の番号が3で隣が4だからといって、3と4の中間になるわけではありません。あくまで3が土台です。
矢印|調子のいいときと悪いときで、寄る番号が変わります
先ほどの三角形と六角形の線は、この矢印を表しています。同じ人でも状態によって別の番号の特徴が出てくる、という考え方です。
統合の方向|余裕があるときに出る面
心にゆとりがあるとき、人は特定の番号の健全な面を借りるとされます。順路は 1から7、7から5、5から8、8から2、2から4、4から1 と回り、三角形の側は 9から3、3から6、6から9 と回ります。
たとえばタイプ1は、余裕があるときにタイプ7の面が出ます。ふだんは正しさを守ろうとして力が入っている人が、肩の力を抜いて面白がれるようになる、という変化です。
分裂の方向|追い詰められたときに出る面
逆にストレスがかかったとき、人は別の番号の不健全な面を借りるとされます。統合とは逆回りで、1から4、4から2、2から8、8から5、5から7、7から1 と進み、三角形の側は 9から6、6から3、3から9 と進みます。
タイプ1が追い込まれるとタイプ4の面が出て、正しさを保つどころか自分の惨めさに沈み込む。そうした変化が、番号ごとに決まった行き先を持っている、という見立てです。
矢印があるので、自分のタイプを調べているときに複数の番号が当てはまることがあります。中心の番号は一つで、矢印の先は状態によって出入りするもの、と分けて考えると混乱しにくくなります。
エニアグラムで分からないこと|向き不向きや能力は測っていません
最後に、この枠組みが扱っていない範囲をはっきりさせておきます。
エニアグラムは能力を測りません。タイプ5だから頭がいい、タイプ3だから仕事ができる、といった読み方はできません。番号が示すのは動機であって、成果や適性ではないからです。同じように、職業の向き不向きも直接は出てきません。
また、他人を外から判定する道具としても作られていません。動機は本人にしか分からないため、振る舞いだけを見て番号を決めると、行動が似ている別の番号と取り違えます。人の番号を勝手に決めて扱いを変えるのは、この枠組みの使い方から外れています。
情報の扱い方や振る舞いの傾向を知りたい場合は、別の枠組みのほうが向いています。16タイプ性格診断はそちらを扱っており、両者の重なりと違いはエニアグラムと16タイプの対応表にまとめました。16タイプのほうを先に知りたい方は16タイプ性格診断とはからどうぞ。
よくある質問(FAQ)
エニアグラムとは何ですか。
人を動機の側から9つに分けた枠組みです。何が得意かではなく、何を恐れていて、それを避けるためにどんな癖を身につけたかで分類します。円の中に三角形と六角形を描いた図が名前の由来です。
9つのタイプに優劣はありますか。
ありません。どの番号にも健全な状態と不健全な状態があり、番号そのものが良し悪しを決めることはない、というのがこの枠組みの基本的な立場です。
自分のタイプが2つ3つ当てはまるのですが。
よくあることです。エニアグラムは行動ではなく動機で分けるため、行動だけを見ると複数に当てはまります。何をしているかではなく、それをしないと何が怖いかで絞ると一つに寄っていきます。
ウイングとは何ですか。
自分の番号の両隣のうち、影響の強いほうを指します。4w3のようにwのあとに隣の番号を書きます。番号が中間になるわけではなく、同じ番号の中の幅を説明するものです。
統合と分裂の矢印はどう読めばよいですか。
余裕があるときに寄る番号が統合の方向、追い詰められたときに寄る番号が分裂の方向です。統合は1から7、7から5、5から8、8から2、2から4、4から1、そして9から3、3から6、6から9と回ります。分裂はその逆回りです。
エニアグラムのタイプは変わりますか。
中心の番号は生涯を通じて変わらないとする考え方が主流です。ただし矢印の先の番号が状態によって出入りするため、時期によって別の番号に見えることはあります。
3つのセンターとは何ですか。
本能センター(8・9・1)、感情センター(2・3・4)、思考センター(5・6・7)の3つです。それぞれ怒り、恥、不安を扱いにくい感情として抱えており、反応が体のどこから始まるかが違います。
エニアグラムで職業の適性は分かりますか。
直接は分かりません。エニアグラムが示すのは動機であって、能力や適性ではないためです。同じ番号の中に、まったく違う仕事で力を発揮している人がいます。
他人のタイプを見分けることはできますか。
難しく、またそうした使い方は想定されていません。動機は本人にしか分からず、振る舞いだけを見ると行動の似た別の番号と取り違えます。
16タイプ性格診断とはどう違いますか。
16タイプ性格診断は情報の扱い方、つまり頭の中の手つきを分類します。エニアグラムは何を恐れているか、つまり動機を分類します。測っている対象が違うため、片方から他方を導くことはできません。
まとめ
エニアグラムは、その人が何を恐れていて、それを避けるためにどんな癖を身につけたかで9つに分ける枠組みです。得意なことで探すと憧れの番号を選んでしまうので、避けてきたことで探すほうが当たります。9つの番号に優劣はありません。
図は、円が9つの位置、三角形と六角形が番号どうしのつながりを表しています。センターは反応の出発点、ウイングは同じ番号の中の幅、矢印は調子による出入りを説明する仕組みです。中心の番号は一つで、それ以外は状態によって出入りするもの、と分けて考えると混乱しません。
自分の16タイプが分からない方は、16タイプ診断(無料・16問)で先に確かめておくと、エニアグラムとの重なりが見やすくなります。
本記事は性格類型の一般的な解説であり、医学的・心理学的な診断ではありません。エニアグラムと16タイプ性格診断は別々に作られた枠組みで、両者を結びつける公式の対応表は存在しません。記事中の重なりは、オンライン上の自己申告データで報告されてきた傾向であり、個人に当てはまることを保証するものではありません。/運営:WEBBOX合同会社 監修:Lumina編集部
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本記事について
本記事は16Personalities性格理論および関連する心理学的知見に基づく一般的な解説です。16Personalitiesは性格傾向を理解するためのフレームワークであり、医学的診断や性格の固定的決定を意図するものではありません。個人の性格は環境・経験・成熟度により変化します。記事中の傾向説明は、あくまで一般論であり、全ての方に当てはまるわけではありません。